メロンの収穫を終えて後片付けをしていますが、台風の度重なる接近や秋雨前線の停滞で雨が多く、なかなか作業が進みません。
本来は収穫後、株ごとに根を引き抜いたまましばらく放置するのですが、今年は台風対策でビニールをはがしてしまったので乾燥もままなりません。
本来はハウスを締め込んで内部を高温にし、メロンの茎葉についた害虫やカビなどを死滅させるのですがそれも出来ません。
茎葉が乾燥しないと圃場から持ち出す場合も重くて大変です。
その後支柱を外したりマルチをはがしたり片付けを行います。邪魔なもののなくなったハウス内を耕耘して次の作物の準備をします。
なんとかこの行程までやってきたので「土壌還元消毒」を行うことにしました。
ハウス内は約3aですので300Kgくらいの米ぬかを均一に撒きます。その後トラクターで耕耘します。
最初は浅く、そして次には深く耕耘して深部まで混ぜ合わせます。この米ぬかが糖類を多く含むので水分や温度があると微生物に急速に分解されます。
次にパイプやチューブで灌水を行いますが、湛水状態をめざします。灌水チューブなどだとかなりの時間を要します。うちは水量の多いパイプですが、それでも4時間くらいは出しっ放しです。

水を止めたらすぐに廃POなどで土壌表面を被覆します。そしてハウスを閉め切って地温を上げていきます。
大体20日前後、このままにしておきます。

写真はまだ途中なのですがパイプの際などしっかりと隙間なく被覆した方が良い結果につながります。
「土壌還元消毒」は、あちこちのサイトでも紹介されていますが私の理解している範囲で簡単に説明します。
うちの場合は「米ぬか」ですが、糖類を多く含む物質を大量に土壌に混和します。大量の水を与えた後にビニール被覆して地温を上げていきます。
米ぬかなどは好気性の微生物に一気に分解されていきます。この時熱も発生しますし、土壌中の酸素も消費します。
温度はビニール被覆+湛水とハウスの締め切りでも上昇します。
また、酸欠状態になった土壌中では好気性の微生物が生きられなくなって、嫌気性の微生物に切り替わっていきます。
どぶの中でヘドロがたまっているところや、海岸の干潟の泥の中でおこっている状態になります。
この作用によって酸素の必要な菌など微生物を死滅させることが出来ます。
また高温状態を維持することによりカビ菌などの比較的低い温度で死滅するものや雑草の種なども駆除することが出来ます。
被覆後の三日間くらいが大切で、この時期に一気に温度を上げ微生物の増殖もはからないと行けません。
今日で三日目ですが、かなりどぶ臭が出ていました。昨日の晴天で地温も50度近くまで上がっていました。
しかし、今日は曇天と雨です。地温は33度くらいまで下がっています。それでもハウス内気温は26度程度でしたから、地温は高く維持されています。
処理後は被覆をはがして耕耘し、良くガスを抜いて酸素を供給します。3回程度数日あけて耕耘しています。
一回目はかなり臭いのでつらい作業になります。
土壌に必要な菌もかなり死滅しますので耕耘後、内城B菌を使った菌体肥料を3aあたり80Kg程度撒いて増殖させてから次作を始めます。
突然のコメントすいません。
宮崎県で施設胡瓜を営んでいます。
線虫の被害に悩まされているのですが、宜しければ還元消毒について教えてください。
還元消毒の大体の手順は調べました。糠を振って耕耘後に湛水状態にする際、潅水パイプで水出しするそうですが、その後、POで被覆しハウス内を密閉して高温下においた場合、潅水パイプは曲がりませんか?
不躾ですいません。宜しくお願いします。
返信遅くなりすみません。
確かに塩ビパイプでは熱で曲がります。
また夏季の閉め込みでハウス内を高温にすると曲がってしまいますので
最近は撤去して灌水チューブで湛水してから除去してビニール被覆しています。
しかし還元消毒自体あまり実施せず太陽熱養生処理に移行しています。
助かりました。ありがとうございました。