今年は空梅雨気味なのか気温が高く、雨があまり降りません。
この高温と乾燥でハウスメロンに「うどんこ病」が発生してしまいました。
まだいくつかの株に白い粉をまいたような小さな点ができている初期段階で
「うどんこ病」に効く殺菌剤を散布しました。
それから二週間、病気はあまり広がっていませんでしたが、まだ残っていたので
さらに殺菌剤を散布しました。
しかし、今回はあまり効果がなく逆に病気は広がって行きました。
この時使用した殺菌剤が「ストロビー」と「アミスター」でした。
同じ薬剤を連用すると「薬剤耐性菌」が発生して薬が効かなくなり広がってしまうことは
知っていましたが、薬剤の有効成分やグループ、作用点を確認するのを忘れていました。
この二つは同じグループで作用点が同じ、同一グループで耐性菌発生率が高いものでした。
特に防除計画というものはたてておらず、経験と手持ち薬剤の中で薬剤を使っていましたので、
確認漏れで同じ薬剤を連用することになってしまいました。
農薬は結構高価なものなのですが、以前は防除に間に合わないと困ると多めに購入していたこともあり
使用されないまま有効期限が過ぎた農薬が無駄になっています。
そのため現在は毎年使い切れる量でローテーションを考えながら、必要最小限量を適宜購入しています。
殺虫剤、殺菌剤ともに一作の中で複数回使用することはさけていましたが、今回は薬剤が違うので
大丈夫だと思い込み使ってしまいました。
こういう風にローテーションをうまくやらないと「リサージェンス」という耐性菌や耐性害虫の
大発生を招いてしまいます。
また、それぞれの薬に「予防薬」「治療薬」の特性があり発生前や初期に使って効果のあるものと
発生後に使用する薬剤があります。
対象の病害虫も多くのものに効くような毒性の強い農薬は使えなくなっていますから、対象がピンポイントに
なっていて対象外の病害虫には効果がなくなっています。
「農薬を使う」ということは、これらの諸条件を勘案して使用する薬剤やタイミングを考えていきます。
さらに多く使いすぎれれば環境負荷も上がりますし、作物に薬害が発生することも考えられます。
もちろんコストも上昇しますから効果が出る範囲で最小を目指します。
メロンなどは生育が早く一株あたりの葉の数や大きさが生育段階で大きく変わってきますので
使用量の目安の10a当たり何リットルという指標だけではなかなか決定できません。
まだまだ農業初心者の私としては親の使っていた薬剤を基本にネットなどで調査し、書籍を購入し
勉強していますが、要素が多すぎて簡単ではありません。
FaceBookの「普及みやざき」さんの投稿で「殺菌剤耐性菌対策委員会」のサイトを知りました。
ここに薬剤耐性菌の資料がありとても参考になります。実際の薬剤名も入っているので
手持ちの薬剤の確認にも使えます。
また「農薬登録情報システム」という農薬の登録情報を提供しているサイトがあります。
こちらから登録されている農薬の情報がcsvでダウンロードできるようになっています。
この情報を使ってWindows向けに検索システムを作成されている方もいますが、
データを利用してWebサービスが作れないか、ずっと考えています。
自分が作っている作物に関してだけローカルにダウンロードしておけばオフラインでも使えそうです。
WebサービスであればPCやモバイル端末でもブラウザで使えますし、専用クライアントを開発してもいいですね。
これらの薬剤データをもとに個別に防除計画や実施ログをとれるようになれば情報開示にも使えます。
さらに薬剤ごとの「予防」「治療」別や、混用情報、さらに価格データなどが入るようになれば
コストも含めて色々なシュミレーションもできますね。
もう少し農閑期になれば作成も進められるのですが。